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中小企業社長が抱かれる漠然とした不安の解決

中小企業社長の皆様、こんにちは。

マネジメントコーチの嶺 匡晴です。

 

私は大阪南部の岸和田、というお世辞にも都会とは言えない小さな町で育ちました。

今でも実家に帰ると、空がたくさん見えるし、星は綺麗だし、人も少ない環境にホッとすることが多々あります。

やっぱり田舎町で育った僕には田舎が一番安心できる気がします(神戸も東京や大阪に比べると小さな街ですが、それでも岸和田と比べると人が多くて時々疲れてしまいます(^^;))。

 

先日、その実家へ帰り、駅から家までの暗い細いひと気のない道を歩いている時、私が小学生だった頃のことをふと思い出しました。

 

小学生の時、父親のお使いで徒歩3分くらいの場所にある自動販売機までビールや日本酒を頻繁に買いに行かされていました(今のご時世、子供にビールや日本酒を買いに行かせるのは少し問題かもしれませんね(^^;。。。)。

 

当時、僕はそれがかなり嫌でした。。。

 

というのも、

 

暗い夜道が怖かった(+_+)

 

からなんですね(^^;

 

男のくせに情けない!、と思われるかもしれませんが、小学生の僕にとってはほんと怖かったんです(;´・ω・)

 

冬の寒くて風の強い日なんてほんとに嫌でした。

風で道にある木々が揺れ、凄く不安になる物音がしたりして。。。

 

次の日の朝、同じ道を通ると、全く怖くない。

 

でも夜にそこを通るとやっぱり怖い。。。

 

なぜあんなにも怖かったのか??不安だったのか??

今考えるとそれは、

 

『見えない』ことによる恐怖だったのだと思います。

 

中学生になる頃にはさすがに近所の夜道も怖くなくなってきました(笑)

 

それはおそらく、暗い夜道であってもそれはいつも通っている近所の道だという認識や、別にこの辺りは暗くてもそんなにも危険な場所じゃない、ということが分かってきたからだと思います。

 

『見えない』ものが『見える』だけで恐怖はなくなってきました。

別に僕が小学生の時から中学生になる数年間で、劇的にその道の安全性が高まったのではありません。

ただ、その道はそこまで危険じゃないと見えているだけで、恐怖がなくなっていったのです。

 

 

今の仕事を始め、私達は見えないものに対して恐怖や不安を感じるのだと強く感じるようになりました。

 

そして、この『見えない』ことによる恐怖や不安は、『見える』ようにするだけでその大半は消えてなくなってしまうことも段々と分かってきました。

 

 

自らがプレイヤーでありお忙しい中小企業社長の多くの方が、

 

会社のお金の流れが漠然としていることの不安、

将来のワクワクするビジョンが見えないことの不安、

従業員が何を考えているか分からない(危機意識が感じられない)不安、

 

といった不安を口にされます。

 

これらの不安は、私が子供の時に感じていた夜道に対する不安・恐怖感と表面的には全く違いますが、実は『見えない』ことに対する不安・恐怖、という点では同じかもしれませんね。

 

上記の不安に対し、『あれもしなければならない!』『これもしなければならない!』というように、やることがたくさんあるように感じてしまうかもしれません。

 

そんな時はまず、そのたくさんの『やることリスト』のうち、状況を『見える』ために必要なアクションだけに絞られてはいかがでしょうか?

 

皆様にとってのそれは何でしょうか?

 

『見える』ようにすることが解決の大きな切り口になるという視点をお持ちいただくことを強くお勧めしたいと思います。

 

経営上のお悩み事を解決する切り口

中小企業社長の皆様、こんにちは。

マネジメントコーチの嶺 匡晴です。

 

売上が上がらない!

集客が上手くいかない!

従業員に危機意識が無い!

 

私のお客様である中小企業社長とお話していると、このような様々なお悩み事を耳にすることが頻繁にあります。

 

売上が上がらないから営業マンに発破を掛けてます!

集客がうまくいかないので広告にお金をたくさんかけてみました!

従業員に危機意識がないので、自己啓発の本を送りました!

 

などなど、それらのお悩み事に対する策を取られている社長が多くいらっしゃいます。

 

このように問題意識を持ち、そして行動に出られていることは非常に素晴らしいことで、且つその行動こそ会社を社長の理想の状態に近づけていく重要な事項だと思います。

 

ただここで、上記にあるような様々な問題に個別の対処をされる前に、皆様に意識して頂きたい重要な質問があります。

 

それは、

 

『その悩みを引き起こしている最大の問題・課題は何か??』

 

ということです。

 

売上、集客、従業員の危機意識、等は既に皆様がご認識されている悩み事で、それらについての情報収集をたくさんされてきたことだと思います。

 

なので、今までたくさん考えてきたことについて、同じ目線で考え込んでも、新しい気付きをすることは難しいことかと思います。

私自身もそうですが、自分の悩み事については視野が狭くなりやすく、同じ考えがグルグルと巡らされ、時間をかけて考えたものの何の進展もなし(;一_一)、ということが多々ありますよね。

 

そんな時、先ほどの質問をご自身にかけて頂きたいと思います。

 

『その悩みを引き起こしている最大の問題・課題は何か??』

 

この質問は、皆様の悩み事を解決するための最も重要な事項を見出すためのヒントになるかと思います。

 

私も、クライアントのみならず自分自身に対してもこの質問を意識してやるようにしています。

 

 

例えば、集客が出来ない、という悩みをお持ちの経営者にこの質問をすると、

 

『広告にうちの強みを書きたいのだが、何を書けばいいのか分からないのです。これが集客することを妨げている一番大きな原因だと思います』

 

という話をされることがあります。

ここまで話を聞くことが出来ると、その時点から解決すべき悩み事は『集客』ではなく、例えば会社のポジション(誰に対して何をするのか、誰のどんな悩みを解決するのか、等)を明確にすること、という風に絞られてきます。

問題点が絞られれば絞られるほどに、具体的な行動に移すことが出来るかと思います。

 

 

他にも、『売り上げが上がらない』『従業員に危機意識が無い』といったことも、それをもたらしている最も大きな問題点・課題を探っていけば、本当に解決すべきお悩み事が見えてきます。そうすれば最も力をいれるべき一つのことが見えてくるかと思います。

 

 

自分自身のことは自分が一番よく分かっている、という思い込みから、私たちは自分が頭に浮かべている悩み事を、あたかもそれが自分にとっての本当の悩み事と考えてしまいます。

(私自身、このように考えてしまうことがしばしばあります・・・(;´・ω・) )。

 

そんな時こそ、その思い込みに疑問を投げかける一つとして上記の質問をご自身に投げかけて頂き、ご自身の本当の悩み事・よりフォーカスすべき重要な一つのことを探して頂くことを強くお勧めしたいと思います。

明確なビジョンとは?

中小企業社長の皆様、こんにちは。

マネジメントコーチの嶺です。

 

前回の、『言葉の定義と行動』で、明確なビジョンは明確な行動を生み出す、というお話をさせて頂きました。

 

今日はその補足として、『明確なビジョン』の『明確』という言葉について少し掘り下げていきたいと思います。

 

まず前提として、ここで言うビジョンとは、その設定者にとっての『理想の状態』と定義させて頂きます。

 

では、この理想の状態を明確にしていく際に、私なりに必要であると思っている4つの項目を挙げていきたいと思います。

 

1.具体的で分かりやすい表現であること。

『学び』『貢献』『成功』などなど、聞こえの良いこれらの言葉は、その意味するところを明確にされないままに使われがちです。

 

特に従業員や金融機関等、経営者自身以外の人間にこれらの言葉を使った場合、それぞれの人のフィルタを通して言葉が定義付けされているため、経営者の思うことが実は伝わっていない、ということが往々にしてあります。

 

また、自分自身で分かっているつもりでも、いざ他の言葉で説明しようとすると具体的に説明できないことも多々あります。

 

受け取り手によって異なる解釈となる言葉がなくなるまで具体的になることを目標に、ビジョンを表現していくことが望ましいと考えております。

 

 

2.数値化できる。

『めっちゃ頑張りまくって、そしてごっつい儲けるんや!』といくら強く願っても、残念ながらいくらまで儲けられるのか、どこまで努力するのかが見えてきません。

『数字』というものは、単位(円、ドル、年、個、など)さえ揃えれば人が変わろうと国が変わろうと同じだけの量を表すことが出来ます。

つまり、自分自身に対しても、そして人に対しても、非常に分かりやすい表現となります。

経済活動を通じて会社を発展させていく以上は、この数値化という過程は外すことは出来ないものと考えております。

 

 

3.期間を定められること。

最終利益を1億円にする!と決断した経営者がいた場合、その達成するための期間を定めなかった人、1年と設定した人、3年と設定した人、とではその後取るべき戦略が大きく異なってきます。

特に、期間を定めなかった場合は、そもそもその目標に向かうことすらしないことがあります。

期間を定めることは、行動に移させる一つの大きな要因となると考えております。

 

 

4.達成可能であること

これについては、現状であったり過去の業績から推測して達成可能なビジョンを立てる、という意味ではありません。

現状であったり過去の実績から将来を決めることは、非常に未来を制限する考え方であり、僕は好かない考え方です。

 

ここで言う達成可能というのは、そのビジョンを達成するために経営者として戦略を立てうるもの、ということです。

仮に過去の実績からして無理だと思うものであっても一向に構いません。過去のやり方・考え方と異なるやり方・考え方で行えば十分に実現は出来ると考えているからです。

 

そのビジョン達成に向けての道筋を描いていけるものであれば、ビジョンとしては明確なものであると考えております。

 

 

以上、ビジョンを明確ならしめる4つのポイントを列挙致しました。

もちろんこの4つのポイントが絶対的なものではなく、他の目線をお持ちの方々もいらっしゃるかと思います。

一つの目安としてご参考にして頂ければ幸いです。

言葉の定義と行動

中小企業社長の皆様、おはようございます。

マネジメントコーチの嶺 匡晴です。

 

前回のブログ『ビジョン(将来像)と意思決定』では、ビジョンが明確となることにより、意思決定の質、スピードが速くなる、というお話をしましたが、今日はそれに関連するお話をしたいと思います。

 

テーマは、『言葉の定義と行動』です。

 

 

先日、電車に乗っている時に、真面目で好印象な若いサラリーマン二人組の会話が聞こえてきました。

 

『年が明けたけど、今年の目標を立てたりした??』

『今年の目標かぁ。。。特にこれっていうのはないけど、でもなんかとりあえず凄いことをしたいかな。何かデッカイこと!』

『それ、毎年言ってるやん(;一_一)(笑)』

 

といったものでした。

 

さて、この会話は多くの人が一度はやったことのあるような『新年あるある』だと思いますが(笑)、この会話に、『行動』を起こすための素晴らしいヒントが含まれていると感じました。

 

・仕事が忙しい

・度胸がない

・十分な資金が無い

・良い人との出会いがない

・知識がない     etc.

 

彼が言う『凄いこと』『デッカイこと』をやることが出来ない理由は色々とあるでしょう。

それらの理由により、『凄いこと』『デッカイこと』が出来ないのかもしれません。

 

ただ、僕が思うに、根本的な理由は上記のようなものではないと思うのです。

 

『凄いこと』『デッカイこと』が出来ない根本的な理由は、

 

『凄いこと』『デッカイこと』がどのようなこと・状態を指しているのか、彼自身が把握できていないことではないでしょうか?

 

つまり、彼の中で『凄いこと』『デッカイこと』が定義付けされていないこと、それが行動に移せず実現もさせられない根本的な理由だということです。

 

もし彼の目標が、『凄いこと』『デカいこと』ではなく、

『副業で高齢者向けの健康食材のネット販売を始め、3年以内に副業の収入が月100万円を超える』、

といった目標だとしたら彼の行動はどのように変わるでしょう?

 

彼なりの『凄いこと』『デッカイこと』を上記のように定義付けしていたら、行動は変わっていたのではないでしょうか?

それを達成するためには何を考えなければならないかが見えてきたのではないでしょうか。

 

 

『言葉は定義付けし、その言葉がイメージ出来るものに変われば、人は行動出来る』という大事なメッセージが、『新年あるある』の会話の中にあったように感じました。

 

これはビジョンについても同じことが言えると感じています。

 

ビジョンを明確にすると意思決定の質もスピードも上がります。これは自分自身やクライアントの実績を見ても明らかだと思います。

 

ただ、越えなければいけない点があり、それはイメージが湧き行動に移せるほどに言葉や数字で明確にするということです。

 

漠然としたビジョンからは漠然とした行動が生まれます。

明確なビジョンからは明確な行動が生まれます。

 

この、『明確』ということについては、また後日ブログでお話したいと思います。

 

ご自身の会社のビジョンや、マーケティング、セールス等の方針が、行動に移せるほどの明確な具体性を持っているか、一度お時間をとって見直して頂くことを強くお勧めしたいと思います。

ビジョン(将来像)と意思決定

中小企業社長の皆様、こんにちは!

マネジメントコーチの嶺 匡晴です。

 

私は料理が好きなのですが、ある日の夕食の買い物を通じて、経営者の仕事に通ずるものがあることに気が付きましたのでご紹介したいと思います。

 

 

その日は休日ということもあり、まだお腹も空いていないお昼過ぎに夕食の買い物に行きました。

 

晩御飯は何にしようかなぁ~、と漠然と考えながらいつものスーパーを物色しておりました。

『あ、あれにしようかな』『いや、これもいいな』等と色々考えながら、生鮮食品コーナーやお肉コーナー、乳製品コーナー等、スーパーの隅々まで歩き回っていました。

 

そして気が付けば、20分近くスーパーを徘徊しておりました。グルグルと4周はしていたかと思います。

 

そしてその時点で買い物かごに入っていたのは、牛乳1本だけでした。。。

 

いつもの行き慣れたスーパーで20分も歩き回ったのに、その時までに決断できた買い物は、『牛乳1本』だけです。

 

 

なぜこんなことになったのでしょうか??

 

 

僕が優柔不断だから??

時間帯的にお腹が空いてなかったから??

スーパーに良い食材がなかったから??

 

もしかしたらそれらも理由の一つかもしれません(;´・ω・)

 

ただ、実際にはそれらは大きな理由ではありませんでした。

 

 

この話は続きがあります。

 

 

20分も経って牛乳1本しか買えてないことに気づいた僕は、慌てて携帯電話に保存しているレシピ集をひらきました。

 

そこで一つの決定をしました。

 

『今日の夜はチキンのグリーンカレーとシーザーサラダにしよう!』

 

この決定をした10分後には、必要な食材が全て入った買い物かごを引っ提げて、僕はレジにいました。

 

 

『何を買うか』という決定をずっと出来なかった僕が、『何を夕食にするか』を決定しただけで、そこから逆算で、必要な買い物を非常に短時間で出来たのです!

 

『晩御飯の買い物をしただけなのに大袈裟な(笑)』と思われるかもしれません。

確かに大袈裟です(笑)(^^;

 

ただ、僕はこの経験をした時に、将来像からの逆算で動くことの強い効果を、非常に生活に身近な例で体験できたと感じております。

 

 

経営者の最も重要な仕事の一つにビジョン(将来像)を明確にすることが挙げられると思います。

 

このビジョンが如何に明確かにより、その後の意思決定の質・スピードが大きく変わります。

 

先ほどの例で言うと、もし僕がチキンのグリーンカレーとシーザーサラダ、とビジョンを決定した時に、代わりに、

『何か温かいものを食べよう』

や、

『カレーとサラダ』

といった曖昧な決定をしていたらどうだったでしょうか?

 

おそらく僕が全ての食材を買い物かごに入れてレジに並んだのはもっと遅くなるか、若しくは何か買い忘れがあった可能性が高かったと思います。

 

 

皆さんの会社は如何でしょうか?

『何を食べるか』も決めずにスーパーを徘徊している僕のような状態で会社経営を行っていないでしょうか?

 

『ビジョンについてゆっくり考えている暇はない!』と言って、ひたすらスーパーの中をクルクル回っていることに充実感を感じておられないでしょうか?

 

 

晩御飯の買い物のような超短期的な意思決定ですら、ビジョンの有無でその精度とスピードが変わってきます

 

社長として我社の未来像をまずもって明確に決定することは、その後の意思決定の精度やスピードの向上を考えると、何よりも時間を有効活用できることに繋がると僕は考えております。

 

中小企業社長は、経営者としての仕事とプレイヤーとしての仕事の両方を持つことが多く、強く意識しないとプレイヤーとしての業務に埋もれてしまうということが往々にしてあります。

そのような中小企業社長だからこそ、まずは明確なビジョンを持つことを強くお勧めしたいと思います。