中小企業社長の皆様、こんにちは。
マネジメントコーチの嶺です。
前回の、『言葉の定義と行動』で、明確なビジョンは明確な行動を生み出す、というお話をさせて頂きました。
今日はその補足として、『明確なビジョン』の『明確』という言葉について少し掘り下げていきたいと思います。
まず前提として、ここで言うビジョンとは、その設定者にとっての『理想の状態』と定義させて頂きます。
では、この理想の状態を明確にしていく際に、私なりに必要であると思っている4つの項目を挙げていきたいと思います。
1.具体的で分かりやすい表現であること。
『学び』『貢献』『成功』などなど、聞こえの良いこれらの言葉は、その意味するところを明確にされないままに使われがちです。
特に従業員や金融機関等、経営者自身以外の人間にこれらの言葉を使った場合、それぞれの人のフィルタを通して言葉が定義付けされているため、経営者の思うことが実は伝わっていない、ということが往々にしてあります。
また、自分自身で分かっているつもりでも、いざ他の言葉で説明しようとすると具体的に説明できないことも多々あります。
受け取り手によって異なる解釈となる言葉がなくなるまで具体的になることを目標に、ビジョンを表現していくことが望ましいと考えております。
2.数値化できる。
『めっちゃ頑張りまくって、そしてごっつい儲けるんや!』といくら強く願っても、残念ながらいくらまで儲けられるのか、どこまで努力するのかが見えてきません。
『数字』というものは、単位(円、ドル、年、個、など)さえ揃えれば人が変わろうと国が変わろうと同じだけの量を表すことが出来ます。
つまり、自分自身に対しても、そして人に対しても、非常に分かりやすい表現となります。
経済活動を通じて会社を発展させていく以上は、この数値化という過程は外すことは出来ないものと考えております。
3.期間を定められること。
最終利益を1億円にする!と決断した経営者がいた場合、その達成するための期間を定めなかった人、1年と設定した人、3年と設定した人、とではその後取るべき戦略が大きく異なってきます。
特に、期間を定めなかった場合は、そもそもその目標に向かうことすらしないことがあります。
期間を定めることは、行動に移させる一つの大きな要因となると考えております。
4.達成可能であること
これについては、現状であったり過去の業績から推測して達成可能なビジョンを立てる、という意味ではありません。
現状であったり過去の実績から将来を決めることは、非常に未来を制限する考え方であり、僕は好かない考え方です。
ここで言う達成可能というのは、そのビジョンを達成するために経営者として戦略を立てうるもの、ということです。
仮に過去の実績からして無理だと思うものであっても一向に構いません。過去のやり方・考え方と異なるやり方・考え方で行えば十分に実現は出来ると考えているからです。
そのビジョン達成に向けての道筋を描いていけるものであれば、ビジョンとしては明確なものであると考えております。
以上、ビジョンを明確ならしめる4つのポイントを列挙致しました。
もちろんこの4つのポイントが絶対的なものではなく、他の目線をお持ちの方々もいらっしゃるかと思います。
一つの目安としてご参考にして頂ければ幸いです。